3   学習時間の有効活用について

 この話は本当は数値化できると理解しやすいのだが、自分の記憶がいつの学習によって身についたかを全て辿るのは難しいので、どうしても感覚的な話になってしまう。
 私の経験から言えば、その効果については確信を持っていたわけではなかったものの、最善を尽くすには自分の使える時間を有効活用するしかなかった。ただ、それを今から振り返ると、そういった細かい工夫がもたらした得点力は結構大きかった気がする。無理矢理数値化するなら、全体の得点力の中の3〜4割は細切れの時間の活用から生まれたという感じだ。
 社労士試験の学習は忘却との戦いだとよく言われる。これはもう、繰り返し知識を整理し直す(私の場合、暗記は苦手だったため、横断やら語呂合わせやら、様々な方法を使って「整理」することを意識した。限られた「暗記力」の中に、できるだけ情報を「整理」して詰めることで、得点力を稼ごうとしていた)しかないのだが、通勤時間に講義や解説のテープを聞いたり、10分間の休憩時に過去問を解いたりすることで、かなりの記憶がキープできる。
 そして、意外と見落としがちなのは、そういう細切れ時間の学習は、確実に集中力を発揮できるという点。休みの日に10時間勉強するのと、細切れの10分間を10時間分積み重ねるのとでは、量的には後者の方がよく詰まる。
 ただし、新しい科目を一から理解していくような時には、まとまった時間が必要だ。したがって、細切れ時間の学習には自然と既に学んだ範囲の復習やアウトプットが中心になっていく。
 だから学習の初期の段階では、まとまった時間が思うように取れないと理解が進みにくいように感じるかもしれない。私も仕事が忙しかったりすると、学習に不安を感じることがよくあった。でも、その先に必ず忘却との戦いは訪れるので、その時に細切れ時間の学習が効果を発揮するのだ。それらが積み重なって、1年後に本試験を迎えたときには、相当な部分が細切れ時間の学習によって身についていることになる。
 本試験で7割の得点力を身に付けることは、特別な才能を持っていなくとも、ある程度の時間さえかけて、正しい学習方法を選択すれば、それほど難しいことではないと思う。ただ、その途上で諦めてしまう人間が予想以上に多いのだ。

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