2008年01月14日

ファシリテーション

今、ファシリテーションの本を読んでいる。
ザ・ファシリテーター
ザ・ファシリテーター(2)
ファシリテーター養成講座
(全て森時彦著、ダイヤモンド社)

昔から会議の生産性、組織の生産性について疑問を持っていた。
大抵の会議は時間の無駄と感じてきた。
私は「付き合わされる」のが大嫌いな性格だ。
裸の王様を裸だと言いたくなってしまう。
飲み会や遊びの集まりの中では斬新な意見やアイデアが飛び出してくるのに、会議となると主催者と参加者の我慢比べみたいに意見が出なくなる。また、意見を言ってみんなの時間を使うこと自体が非難されているような雰囲気さえある。

日本には「出る杭は打たれる」「和を持って尊しとなす」という言葉に代表されるように、異端を排除しようとする風潮が根強い。集団に同調しないというだけで、「非常識」とか「協調性がない」と批判される事が多い。
そうした風潮が集団の生産性を下げているのは明らかだ。
最近でこそ、ダイバーシティ戦略が脚光を浴びているが、様々な意見をはき出させ(発散)そこから新しい方向性を導きだす(収束)ことができる組織はなかなかない。

だから会議なんて必要ない。組織のトップが全て決めればいいんだ・・・そういう意見もある。
だがそれは間違いだ。
独りで仕事をしているからよく分かるのだが、たったひとつの脳みそで考え出せることは限られている。
また、トップダウンの弱点はひとりひとりがそのミッションに十分納得していないせいで実行の段階でパワーが落ちることだ。
社長が「こうしなさい」と言ったことよりも、従業員に会議をさせて、「自分で決めさせた」ことの方が、実現の可能性は高くなる。

自分の過去を振り返って組織がよく機能したときのことを考えてみると、そこには重要な役割を果たしたファシリテーターの存在(学校の教師など)があったことがわかる。
大体の場合、私は異端の立場だったのだが、それを組織が上手に生かせた時は、組織自体が活性化するというのが私の経験則だ。
だが、もしかすると私が自分を異端だと思っているだけで、本当はみんな私と同じように意見を殺してしまっているのかもしれない。そうであれば、組織の失うマンパワーは更に大きくなる。
こうしたことが、日本のホワイトカラーの生産性が低いと言われる要因のひとつであるのは間違いない。

ファシリテーションというのは、集団思考の落とし穴を分析して、会議(組織)が本来の目的を達成できるようにプロセスを考えるノウハウ集のようなものだ。
優れたファシリテーターになるのは容易なことではないが、実際に日産を立て直したカルロス・ゴーンも活用したように、日本の組織の陥りやすい弱点を解消してその本来の良さを引き出す鍵となるのであれば、時間を費やす価値があると思っている。



kimmasa1970 at 12:20コメント(0)トラックバック(0)社労士 開業 | 日々のできごと 

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