2009年05月18日

社会保険事務所長と談判

某社会保険事務所で、適用事業所名称所在地変更届を提出した。
すると、奥の方から適用課長なる人物が出てきて書類が足りないという。


私としては事前に電話で問い合わせて、添付書類として移転先の賃貸契約書があればいいということを確認してあった。
しかし彼は登記簿謄本を添付しなければ受理できないという。
???そんなこと電話では聞かなかったはずだが???
実はこの手続き、ちょっと厄介な予感がしたので、複数の社保に問い合わせて確認してあった。
確かに、口座振替に関しては、銀行の確認を得る必要があると言われたこともあったが、登記簿謄本が必要と言われたことは一度もなかった。口座振替に関しても、最悪納付書を送ってもらえばそれで済む。
そこの適用課長は、以前にも新規適用の時に結構うるさいことを言われたことがあったので、私も覚えていた。どうやら相手も私のことを覚えていたようだ。
その時はまさか嫌がらせをされているとは思わなかった。
「申請者の欄の住所が旧住所ではダメですね。ここは新しい住所を書かなくてはいけません」
変更届だから確かにどちらを書けばいいか一瞬迷ったが、とりあえずいつも通りに会社のゴム印を押して貰ってきてしまっていた。
相手の指示に従って、住所を訂正しようとしたとき、衝撃の一言が適用課長の口から発せられた。
「訂正印をもらってきてください」
ナヌ? 訂正印?? これにはさすがに黙ってはいられなかった。ここまでくると相手の悪意が透けて見えるというものだ。
「訂正印が必要だという根拠を説明してください」
ナメてもらっては困る。確かにベテラン先生とは違って、社会保険の事務の隅から隅まで熟知しているわけではないが、今まで社会保険事務所で書類に訂正印を求められたことは一度もない。単純なミス程度で、いちいち事業主の確認を得なければならないのなら、これまで何度も2度手間をさせられていたはずだ。
いかにもベテランで、手強そうな適用課長に突っかかっていって勝てる自信は全然無かったが、ただ言いなりになっていては自分も進歩がない。だから、せめて訂正印が必要な場合とそうでない場合の役所側の判断の根拠を聞いておこうと思ったのだ。
「・・・根拠ですか? そんなことを聞かれたのは初めてですね」
小さなほころびから大きな城が崩れることがある。
「そうです。私も色々なところで書類を提出してきましたが、この程度のことで訂正印が必要だと言われたことはありませんから。あなたが訂正印が必要だと判断した根拠を聞かせてください」
「・・・・」
おそらくは普段からこのようないじめ・いやがらせをしているのだろう。
私も、それほど急ぐ手続きではなかったので、登記簿謄本くらいなら用意してもいいと思っていたが、わざわざ事業主に面倒かけて訂正印まで貰わなくてはならないとなると、話は別だ。初心者だと見くびっていい加減なことを言って2度手間を踏ませて悦に入るような腐った役人には煮え湯を飲ませてやる。
「判断の根拠すら曖昧な状態で、大変な2度手間を踏ませようとしたのですか?」
適用課長を問い詰めたところ、結局出てきたのは慣習でそうしたという一言だった。
正直言ってベテランの陥りやすい部分だと思う。手続きの意味を考えずに、慣習でいつもそうしているから、それが正しいという思いこみ。
その点を指摘してもこの厚顔無恥な適用課長は自分の非を認めなかった。
いじめ・嫌がらせをやる人間の共通点は信念がないことだ。何が正しくて、何が間違っているのか、責任を持って判断することができない。恥を知らないからこそ人をいじめることができるのだ。
こうなったらもうこいつと話しても時間の無駄だ。
私は階段を駆け上がって庶務課の人間を呼び、所長を出すように言った。
しばらくして革張りのソファの並ぶ所長室に通された。
いかにもキャリア上がりのノホホンとした感じの人物だ。
先ほどのいきさつを話すと、所長は本人から話を聞くといって降りていった。
しばらくして、所長は戻り訂正印の件は必要ないと答えた。併せて登記簿謄本も、内規の手続きマニュアルによれば、「登記簿謄本等により確認」とあるとのこと。つまり、何が何でも登記簿謄本でなくてはならないというわけではないのだ。道理で、電話で問い合わせた時に登記簿謄本のことを言われなかったわけだ。電話に出た人物の方がよほど適用課長よりもしっかりとルールを理解している。しかも、今回は登記された住所が変更になったわけではないので、そもそも登記簿謄本を求める理由が存在しない。

私も(ここではないが)社会保険事務所で年金相談の手伝いをしたりしたこともあるので、去年の年金騒動の時に社保の人間がどれだけ真摯に対応していたかをよく知っている。頭に血が上った受給者や被保険者の人に怒鳴られようが、嫌みを言われようが、ひたすら耐えて公の立場を貫いていた。そんな中、この適用課長のような人物がいると、他の所員たちの努力が水の泡になってしまう。ひとつひとつの行政行為に、法の重みをしっかり感じて受理印を押して貰わなくては困る。
私自身も、ひとつひとつの書類の意味、添付書類の意味を、きちんと考えて手続きを行わなくてはいけないと思う。ただ単に問い合わせた時に言われた書類を用意するだけではダメだ。登記簿謄本ひとつ取っても、住所を確認するのか、資本金を確認するのか、法人格を確認するのか、よく考えて仕事をせねば。

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kimmasa1970 at 00:00社労士 開業 | 日々のできごと 
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