トヨタQC
2008年05月23日
●トヨタQC活動「カイゼン」に残業代支給(5月22日)
トヨタ自動車は、生産現場の従業員が勤務時間外に生産性向上など
にグループで取り組むQC(品質管理)サークル活動を業務と認めて、
これまで「月2時間まで」としていた残業代支給の上限を撤廃し、6月
から原則として残業代を全額支払うことを決定した。同様のQC活動
は製造業を中心に広く行われている。
●店長に残業代支給の方針 日本マクドナルド(5月21日)
日本マクドナルドは、これまで残業代を支払っていなかった店長ら
(直営店長・店舗管理責任者など)約2,000人に対して、残業代を支
給する新報酬制度を導入すると発表した。1月に東京地裁が下した
店長への残業代支払いを命じる判決を受けたものとみられ、8月か
ら実施する。ただ、「店長手当」を打ち切るため給与総額は増えず、
当面は控訴も取り下げないとしている。
どちらも今後の日本の労働条件の行方を左右する重要な判決。
日本有数の大企業が、これらの判決によって軌道修正を余儀なくされている。
マクドナルドはあくまで控訴する方針のようだが、世の中の動きには逆らえず、残業代を支払わざるを得ない状況。むしろ下手に労働者側を刺激すると、第2第3の訴訟が発生する恐れもある。
QC活動については、その効果を考えると仮に残業手当を支払ってでも続ける必要はあと思う。ただし、その性質から考えると本来は社員の自主的なサークル活動と位置づけたいところだが、やはり企業にとって非常にメリットの大きなものだけに、無償というのもおかしい。
ただ、実際には「自主的」な社員はわずかで、ほとんどは会社に強制されているのが実態なので、残業代の支払はやはり妥当だろう。
こうして日本の労働事情はまた一歩進んだわけだが、こうした動きもそもそもの裁判を起こした人間がいたからこそ実現したわけで、勇気ある当事者のお陰で世の中が変わっていくという現実をしっかりと受け止めたい。
泣き寝入りする人と勇気を出して闘う人。どちらを選ぶも自由だ。自分自身にとっての費用対効果だけを考えれば、泣き寝入りこそは合理的な選択かもしれないが、勇気ある行動が無ければ世の中は良くならない。
kimmasa1970 at 21:49