実務経験

2007年12月19日

先日書いた、某役所での行政協力の件で今朝9時ぴったしに入電。
「大変長らくお待たせいたしましたが、そちらでお願いしたいということで内定いたしましたので、就任承諾書を送りますから・・・」
よし、これで来月からは週3日のアルバイトだ。
正直、それだけ拘束される中で、どのくらい営業ができるかは微妙だが、その分少しお金を投入してDMをやったりすることはできる。
何よりも、行政協力を通じて獲得できる専門知識は、今後の自分の強みになってくるはず。もちろん、その分の勉強も必要になるが、実務経験を通してしか獲得できないことも多いはず。
いずれにしても、今後はより時間を有効活用していかないとなるまい。JCもあるし・・・。
前途洋々なのか、前途多難なのか微妙なところだが、とりあえず前進あるのみ!

kimmasa1970 at 23:24コメント(0)トラックバック(0) 

2007年11月30日

合格発表の翌日、妻がフリーペーパーを持ってきた。
なんとそこに社労士事務所の求人が載っているというではないか!

○○社労士事務所 事務員募集
「未経験の方でも、基礎から指導いたします。有資格者歓迎!」
月給・15万円〜

住所を見ると、すぐ隣の市だ。車で15分ほどの距離。
ただ、月給15万社会保険ナシか。妻子持ちには厳しいな。
そう思ったものの、社労士なんて資格取っただけですぐビジネスができるとは到底思えない。ここは何とかして、先人から学ぶ機会を持たなくては・・・。

30分ほど検討して、妻と相談の上、その事務所に電話を掛けてみた。

・・・反応は悪くなかった。いつから来られるのか?とまで言われた。どうやらそんなに応募が殺到しているわけではなさそうだ。一週間後の土曜日に面接に行くことになった。

面接の日。
着慣れぬスーツに袖を通して、事務所に出かけた。
雑居ビルの階段を上り、ドアをノックする。
「どうぞ」
小さな応接テーブルに所長が座っていた。
あらかじめ郵送してあった履歴書を見ながら、自分の職歴を説明するように言われた。
私は大学を出てから出版業界やホテル業界を経て、期間工をやるまでの話しを説明した。
「随分遠回りしているねえ」
「・・・」
「君はパッと見たところかなりプライドが高そうだね」

さすが経営者。単刀直入にものを言う。

「君みたいなタイプにはものを教えにくいなあ」
「そうですか」
確かにそうかもしれないと思いつつも、だからといって性格は変えようがないだろうと思った。

「まあ、でも、短所というのは長所の裏返しだと言うからね」
「はあ・・・」
「君みたいなタイプは経営者とは対等に話ができそうだね」
そう言われてみればそうかもしれない。

その後、所長が7年前に脱サラして開業したこと、今はそこそこの顧問先を抱えているが、事務員をひとり雇うのがやっとだということ、余所の社労士事務所でもこの程度の待遇であることなどを話してくれた。

「君を雇うのは難しいと思うよ」
理由は2つ。
第一に、私が将来独立を目指していること。
第二に、私が家族を養って行かなくてはならない立場であること。

所長としては、仕事をやっと覚えたところで辞められては困るというのだ。まあ、この点については理解できる。

第二の理由はなぜか?
実はこの所長も、全く実務経験なしで独立開業したとのことだった。
そしてその経験から、本気で独立したいならば、事務員なんかやらずに、今すぐ開業した方がいいというのだ。
・人間のモチベーションは意外と長続きしないから
・開業するためには、軌道に乗るまでの生活費を貯金から出さなくてはならないが、この事務所で月給15万で働いてしまったら、その大切な貯金を開業前に減らしてしまうことが目に見えているから
・仕事なんか独立してから覚えることができる。実際にこの所長はそうしてきた。

実はこれ、真島さんの「開業への道」に書いてあったのと同じだった。
ただ、そうは言っても、何も知らずにいきなり開業は無謀だと思った。
とにかくこの時はまだ、試験に受かっただけで、実際の社労士業務の何たるかすら全く分かっていなかった。
就業規則作成やら、給与計算、助成金申請、退職金改定、人事制度構築などといった、顧問業務以外の代表的なメニューすら知らなかった。
そういう私から見れば、この所長は、すでに社労士として事務所を成立させていて、事務員まで雇っている。
私と所長の間にどのくらいの深さの河があるのか? それだけでも知りたかった。

「分かりました。ここで働くことは諦めます」
「そうか」
「ただし、せっかくこうしてお知り合いになれたのですから、私に実務を学ぶ機会をください」
「!」
「期間工をやりながら、会社が休みの日にここへ来ます。邪魔はしませんので、仕事を見させてください。もちろん給料は要りません」
「そう言われてもねえ・・・」
「どうかお願いします!」

「タダでもいいからって言う人もいるんだけど、実際にそれをやっちゃうとこっちが疲れるんだよね。どうしても気を使っちゃうから・・・」
「・・・」
「じゃあ、こうしよう。少しだけバイト代を出すから、バイトという形でなら来てもいいよ」
「ありがとうございます。よろしくお願いします」

このようにして面接は終わった。
採用はされなかったが、実務経験を得るという私の目的は辛うじて叶えられた。


kimmasa1970 at 00:22コメント(3)トラックバック(0) 
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