格差社会

2007年08月28日

本年度の経済財政白書では、正社員と非正社員の賃金格差拡大を指摘している。
今や労働者の3分の1は非正規雇用。

先に触れた「格差社会ニッポンで働くということ」(熊沢誠著)でも取り上げられているように、際限ない労働条件の切り下げを防ぐには、労働者側が団結するのが一番効果的だ。

だが、現在の日本の労働組合は当然、正社員の既得権保護の方向へ向かいがち。
実際、期間工が労働組合に入っているという話は聞いたことがなかった。

非正規雇用の労働者が団結しにくいのは、既存の労働組合が入れてくれないことだけが理由ではない。
日本では企業内労働組合が大多数を占め、職業別、もしくは産業別の企業横断的な労働組合が育ってこなかったせいもある。
いくつもの企業を渡り歩く非正社員にとっては、ヨーロッパのように企業横断的な労働組合がどうしても必要だ。

想像してみよう。例えば自動車産業の期間工全体で労働組合を作ってみたらどうなるか? これらの期間工がストを武器に交渉すれば、同一労働同一賃金とはほど遠い、現在の期間工の労働条件を劇的に改善できる可能性は十分あるのではないだろうか?

ところで正社員の皆さんは、そんなことをされたら自分たちの既得権はどうなるんだ?と思うかもしれない。
実は、非正社員の賃金と正社員の賃金の格差が広がれば広がるほど、企業は非正社員の比率を引き上げにかかるはずなので、正社員がリストラされる危険も増えるはず。
逆に言えば、期間工が労働組合を作って待遇改善を成し遂げると、正社員の忠誠心を犠牲にしてまでリストラするメリットもなくなるはずだ。

ネットカフェ難民の皆さんも、インターネットだけは使える環境なのだから、最初はサークル感覚でコミュニティを作って、徐々に本格的な労働組合に育てていくこともできるのではないだろうか? ネットで育った巨大な労働組合が、大手自動車会社をギャフンと言わせる日が来るとしたら、なかなか痛快だ!
ブログパーツ

kimmasa1970 at 23:11コメント(1)トラックバック(2) 

2007年07月26日

前述の本の受け売りだが、日本の経済政策と労働政策は基本的にアメリカのやり方を真似ている。これを本の中では「新自由主義」と紹介していた。
一方、EU諸国に代表される福祉国家を目指すやり方を「社会民主主義」というらしい。

1986年の時点で所得税の階層は15段階あり、その最高税率は70%だった。
1999年には4段階、最高税率37%となった。
http://www.tokyo-syahokyo.net/data/2005y/gazou/sh_panf251117-14.pdf
(参考データ)


このあたり、金持ちの税率は下げているけれど、所得300万円以下の階層の税率はほぼ10%であったので、なんとなく許されてしまった感があるが、実は高所得階層から減税した分の財源は、あの消費税から賄われている。

つまり、中曽根・レーガン〜小泉・ブッシュと続いてきた日米の蜜月時代は、庶民をワーキングプアに陥れ、金持ちからはあまり税を取らない世の中を日本にもたらしたというわけだ。まるで彼らが時代劇の悪代官みたいに見えてくるのは私だけではあるまい。

ところで、「新自由主義」の自由とは、自由競争のことを指している。
「勝ち組は大いに楽しめ! 負け組は奴隷になって飢え死にしても構わん!」
彼らはどうして自由競争させたがるのだろうか?
私の想像だが、彼らは国と国との競争に負けたくないんじゃないだろうか?
つまり自国の国民が不幸だろうが貧しかろうが、他国との戦争(経済的な勝ち負けも含む)に勝ちたいのでは?
そのためには自国の企業の国際競争力は何よりも大事だし、国民には過労死寸前まで必死に働いてもらいたい。
オンリーワンよりナンバーワンでいたいという思想。

多分、小泉さんなんか、少子高齢化社会のことなんて、あまりまじめに考えていなかったんじゃないだろうか?
建設族議員をうまく悪者に仕立てて、公務員みたいに比較的恵まれた層を締め付けることで庶民の政権に対する不満をうまくかわして、郵政も「自由競争化」してしまった。

でも、さすがにもう誰の目にも日本がヤバイことになっているのは分かるようになってきた。自民党から勝ち逃げする人が続出する日はそう遠くない気がする(選挙も近いし・・・)。
日本人もいい加減に政治家の舞台演出に騙されるのをやめて、自分たちの国を自分たちで良くしていこうとしないと。これからの少子高齢化社会は、今よりもっと辛くて暗い世の中になるぞ・・・。ブログパーツ

kimmasa1970 at 23:27コメント(1)トラックバック(1) 
過去の回想を順に読む場合はこちらから(各項目の記事の最後に「次のページへ」というリンクがあります)
記事検索
Google
にほんブログ村 士業ブログ 社会保険労務士(社労士)へ
楽天市場
楽天ブックスで探す
楽天ブックス
にほんブログ村 士業ブログへ
当サイトでは、第三者配信による広告サービスを利用しています。このような広告配信事業者は、ユーザーの興味に応じた商品やサービスの広告を表示するため、当サイトや他サイトへのアクセスに関する情報 (氏名、住所、メール アドレス、電話番号は含まれません) を使用することがあります。このプロセスの詳細やこのような情報が広告配信事業者に使用されないようにする方法については、ここをクリックしてください。
検索
カスタム検索