36協定
2007年10月06日
人材派遣大手「グッドウィル」春日井支店(愛知県春日井市)が、36協定を締結せずに派遣社員(グッドウィルに登録している社員)に時間外労働をさせたのは労働基準法違反として、同支店に登録している30代男性が10月5日、名古屋北労働基準監督署に告訴状を提出し、受理された。
(日本経済新聞より)
ここで問題なのは、派遣会社の36協定というものが、どれほどの実効性があるかという点だ。
そもそも、バラバラの派遣先で勤務している労働者との36協定を派遣元が一括して締結するというのが無茶だ。
このあたりの詳しい説明は、
http://www.asahi-net.or.jp/~RB1S-WKT/qa3074.htm
を参照して頂くとして、36協定に関しては今のところ、元々あった労働基準法に、後から発生した労働者派遣という形態を無理矢理あてはめた形になっている。
そしてそのままだとつじつまが合わないので、ゴチャゴチャと通達を付け足して、取り繕っているのが現状だ。
おそらく当初の労働基準法では、派遣などという労働形態は想定されておらず、36協定も事業場ごとに締結するという属地主義が原則となっている。要するに同じ場所で行われていることでなければ、把握も管理もできないのが普通なのだ。
それを無理矢理派遣元で36協定を結べなんて、経営者だって理解できないだろうし、実際管理しきれなくなってしまうだろう。
だからといって、無届けで残業させても許されるわけではないし、大手が法律を知らなかったなんてことは通用しない。ただ、もう少し分かりやすい制度を作れば、少しは違反が減るのではないのだろうか?
それと、さすがにこれだけ格差社会が叫ばれると、派遣労働者も社会的弱者としての自覚が芽生えてきたのがよく分かる。派遣元が36協定を結んでいるかどうかなんて、普通の人ならまず知り得ない話だ。それをしっかり調べて、したたかに会社を告訴するなんて・・・
世の中の社長さんは、是非ともこういう情報に敏感になって頂きたいものだ。ただのフリーターでもこのくらいの知識は持っている時代なのだから。
派遣110番
↑グッドウィルの支店長も、こういうサイトを社員が見ているという現実を直視するべきだと思う。